昨日、会社四季報の夏号が発売された。
証券ライフには、契約している藍澤證券から、毎回発売日の午前中に送られてくる。
新しい四季報が届くのはいつも楽しみである。
今日、土曜日の午前中と午後の時間を使って、四季報を一通り読んだ。
読んだと言っても、全ての銘柄の詳細を読むわけではない。
ページを一枚一枚めくりデータを見ながら、私のセンサーを働かせて銘柄を感じるという、独特のやり方である。
見るデータとして、一番大切にしているのは、売上と利益の伸び率である。つまり変化度合いである。
売上と利益の伸び率の大きな会社はすでに株価も上がっているケースが多いが、たまに、誰も気づかないまま放置されて、株価が上がっていない銘柄が見つかることがある。
これがいわゆる「お宝銘柄」というやつである。
証券マンにとって、お宝銘柄の発掘は楽しみの一つである。
私も約22年の証券マン生活で、何倍にもなった「お宝銘柄」をいくつも発掘してきた。
証券ライフのホームページでも取り上げている「6323 ローツェ」は、21年前から注目して私が取り組んでいた銘柄で、何倍にもなった銘柄の一つである。
この22年間の安値は2008年に付けた99円で、直近(2021年6月18日)の終値は10,020円である。なんと安値から約100倍になっているのである。
当然、安値で買える人は滅多にいないが、現在は上場来高値近辺の水準なので、
過去22年間で「6323 ローツェ」の株を買った人はほぼ全て儲かっているということである。
こういった「お宝銘柄」を見つけることは、証券マンの仕事の醍醐味の一つと言える。
多くの投資家が会社四季報を読んでいると思うが、それぞれ見るポイントは違っている。
また、時代や相場テーマの変化によっても、四季報の読み方は違ってくる。
私は昔はどちらかというとバリュー重視だったが、ここ数年はグロース重視である。
また、銘柄発掘にはデータ分析だけではなく、「アート」的な視点が必要である。
つまり、「想像力」である。
株価が上がるには、企業業績は必要最低限の要素だが、中長期的な銘柄ストーリーがなければ、上昇は長続きしない。
半導体製造装置の「6920 レーザーテック」は、まさにそのストーリーで大化けした銘柄で、ここ3年で10倍以上になった銘柄の筆頭格である。
6920 レーザーテック」は、半導体ウェハの検査装置の大手だが、半導体の微細化で、露光方式が大きく変わったことによって、恩恵を被った企業である。
実際に、売上も利益も大きく伸びたが、それ以上に多くの投資家が半導体の微細化によって、恩恵を大きく受ける企業としてのストーリーに乗ったのである。
その結果、「6920 レーザーテック」の株価バリュエーションが上がって、今期の予想PERは152倍である。
このように「お宝銘柄」発掘は、企業業績は最低限の条件で、さらに、マーケット全体が注目して乗れるような「銘柄ストーリー」を事前に見つけ出さないといけないのである。
この「銘柄ストーリー」を考えるのが、データを補完する「アート」なのである。
今回の四季報からも面白い銘柄がいくつか見つかったので、近日中に詳細を分析する予定である。