先日東京出張の際、セミナーと個別相談に参加されたお客様から伺ったお話で、IFAの在り方や業界の方向性について、色々と考えさせられました。
そのお客様は、4つのIFA法人が主催する無料セミナーに参加されたのですが、どれも最終的にはラップ口座への誘導だったようです。
また、それら大手IFA法人の担当者は、機械的で人間的な感じがなく、取引きしたいと思わなかったとの感想を伺いました。
ラップ口座がすべて悪いというわけではないと思いますが、長期で見ると高コストになることはわかっているにも関わらず、ラップ口座に積極的に誘導するIFA法人は、お客様というより、自社の安定的な収益のことしか考えていなように思います。
ラップ口座を積極的に推し薦めているIFA法人各社は、お客様にとって良かれと思って、やっていることだと思います。しかし、良かれと思ってやっていることが、お客様にとって本当に良いのかどうか別問題です。
証券ライフでは、基本的に10年以上持っていただける投資信託や個別株式をお客様に提案しています。商品を選定する際に、時間軸を10年以上にしていれば、よっぽどのことがない限りは、投資先の入れ替えの必要はないと考えます。ラップ口座は、投資先の信託報酬と別に年率で約1%~2%のコストがかかってきます。そのコストが毎年かかってくるという点が見落とされがちですが、10年、20年という時間軸で考えると、合計で10%、20%、30%、40%という膨大なコストになっていきます。この点を考慮されて、最終的な判断されると良いと思います。
アメリカでは、IFAがラップ口座での運用を取り入れて、成功している例があります。それを見て、日本の大手IFA法人もラップ口座が主流になると踏んで、ラップ口座に積極的に取り組んでいるのだと思います。確かに、アメリカは金融の先進国ではありますが、アメリカの手法がすべて日本に合致するとは限らないと私は考えます。
「ラップ口座」は、お客様の資産運用成功のための「魔法の箱」ではなく、IFA法人にとって儲かる「ドル箱」なのです。その点を冷静に考えて、ラップ口座を積極的に推し薦めているIFA法人とお付き合いされると良いと思います。ラップ口座は、大儲けも大損もしない代わりに、長期間、じわりじわりと管理手数料を取られて、10年後、20年後、気付いたときには、時すでに遅しという可能性が高いと予測しております。
世界は常に進化・アップデートされています。ラップ口座というコストのかかる「狭い箱」に縛られることなく、投資はもっと自由になって良いと思います。ヘッジファンド、個別株、面白いテーマのファンドなど、資産運用をもっと自由に楽しくしていきましょう!
もし何かお困りのときには、 お気軽にメールなり、お電話なり頂戴できればと存じます。
京都から東京へ向かう途中、新幹線から見えた富士山。
美しい、どっしりとした姿に、いつも心震えます。