最近、SMAやファンドラップに関するご相談が増えています。
お客様から大手証券の提案資料を見せて頂くことも多いのですが、
それらの資料やデータを見て、改めて、SMAやファンドラップはやってはいけないと感じました。SMAやファンドラップの一番の問題点は、「投資のチャンスを減らしている!」ということです。
先日、関西在住のお客様から、「野村證券の営業マンがSMAを強く薦めてくるので、
3000万円の契約申込みをしたのですが、払い込みは少し先で、
本当にやってよいものなのかまだ迷っていて、上原さんのセカンドオピニオンを聞かせてほしい。」
というご相談がございました。
そのお客様から、野村SMAの資料を見せて頂いたのですが、選択できるファンドは30本ほどでした。
ぱっと見たたころ、ジャパンドリームという中小型株ファンドがそこそこ良いパフォーマンスを
出していますが、それ以外はそれほど際立って良さそうなファンドは見当たらなかったというのが私の印象です。
それよりも、投資の選択肢がたった30本前後のファンドに限定されるということ自体が問題だと感じました。
世の中には、1万本以上の投資信託や、日本の個別株だけでも約3600銘柄、外国株、債券なども合わせると、
数えきれないくらいの種類の投資先があります。
それをたった30銘柄前後に絞ってしまうこと自体が投資のチャンスを減らしていると考えます。
証券会社側からすると、SMAやファンドラップは手間がかからない楽な商品です。
自分で銘柄を分析する必要もないですし、相場の研究をしなくても、運用の専門家がすべてうまくやってくれますと
言っておけば、運用側に責任転嫁することもできます。
ある意味、証券マンとしての責務を一部放棄していると私は感じます。
証券マンの仕事は「数多くの投資信託、株式、債券」の中から、
お客様のご意向に合わせて、より良いものを探してきてご提案することだと考えます。
総括しますと、あえて限られた選択肢のファンドラップやSMAをやるより、
個別の投資信託、株式、債券を組み合わせてポートフォリオを組んだ方が
お客様のより細かいご意向に添うことができ、自由度が増し、
パフォーマンスも高くなるのではないかと考えます。
世の中は広いです。これから新しい金融商品はどんどん出てきます。
ファンドラップやSMAのような「鳥かご」から抜け出し、自由な資産運用を目指しましょう!
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