楽天証券のファンドアナリストである篠田尚子氏が書かれた本で、投資初心者が読むにはわかりやすい本だと思います。良いファンドをいくつかピックアップされているので、参考になる部分はあると思います。しかし、ファンドアナリストがススメているからと言って、儲かるとは限りません。
なぜなら、投資信託で運用するにしても相場観がかなり大切だからです。
いくら評価が高いファンドだとしても、投資信託が投資するマーケットがダメなら上りません。
著者の篠田氏の詳しい経歴は存じ上げませんが、投資信託のリスク分析や投信の評価に永く従事されているようです。おそらく相場見通しなどマーケットの分析は専門家ではないでしょう。しかしながら、今回の書籍で取り上げられている投資信託は特徴のあるものが多く、面白い切り口で紹介されていると思います。
著者は、この本で以下の10本のファンドをススメていらっしゃいます。
1.DIAM日本株オープン
2.iTrust 日本株式
3.ニッセイ健康応援ファンド
4.三井住友 配当フォーカスファンド
5.大和住銀 J-stockアクティブオープン
6.ラッセル・インベストメント 外国株式ファンド
7.セゾン 資産形成の達人ファンド
8.三菱UFJ エマージング・ソブリン・オープン
9.投資のソムリエ
10.ステート・ストリート リスクバジェット型バランス・オープン
私がこの中で一番おススメできるファンドは、5.大和住銀 J-stockアクティブオープンです。
弊社では取り扱っていませんが、このファンドは、以前、このコラムで取り上げた特集で過去10年のパフォーマンスランキングで、第2位になっているファンドです。
過去10年で約7倍になっています。
過去の実績と、今後、日本の中小型株がさらなる上昇が期待できるという私の相場観で、このファンドはおススメできます。
それ以外のファンドはそこそこといったところでしょう
可もなく不可もなく、特に投資してもしなくてもどちらでも良いと思います。
篠田氏はさすが、ファンド分析のプロとあって、面白い切り口で銘柄を選択していらっしゃると思います。三井住友の配当フォーカスファンドやニッセイの健康応援ファンドもテーマとして面白いと思います。
実際、両ファンドとも市場平均を上回るリターンを出しています。
しかしながら、中長期的に見て、J-stockアクティブオープンのように日本の中小型株投信のパフォーマンスには及ばないでしょう。