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エバーレーンの衝撃!

今週の日経ビジネス(2016・10・3号)に面白い記事が出ていた。今、日本のアパレル業界が衰退しているという特集だったが、その中でアメリカのエバーレーン(everlane、https://www.everlane.com/)という新興アパレル企業の記事が興味深かった。

サンフランシスコに本拠地を置くエバーレーンは、2010年に設立された新興企業だが、すごい勢いで伸びているそうだ。


その理由は、商品コストを明確にオープンにしていることだ。 例えば、写真にあるメリノウール100%のクルーネックシャツの販売価格は60ドル(約6000円)だが、生地に8ドル(約800円)、 ボタンなど備品に1.9ドル(約200円)、 生産地の労働力に13ドル(約1300円)、 関税に3.3ドル(約330円)、 輸送費に0.7ドル(約70円)と 生産コストの合計額が27ドル(約2700円)と明記している。そしてエバーレーンの利益を33ドル(3300円)乗せて、合計60ドルで販売している。また、同じようなクオリティの商品は他社では135ドル(約13,500円)で販売しているということも書いている。


ホームページで商品をざっと見たところ、デザインがシンプルで素材も良いものを使っていて、価格もリーズナブルである。これなら売れるなと感じた。 あらゆる業界において製造コストをオープンにしていないところが大半だ。しかし、グローバル化とインターネット社会の到来により、あらゆる情報が誰でも手に入るようになった。そのような世界で、どのような商品も製造コストをクローズにし続けるには限界が来ているのだろう。今後、アパレル企業のみならず、あらゆる業界にこのように製造コストをオープンにする業界がどんどん出てくるだろう。それ以上に、製造コストをオープンにしていないと消費者に選ばれない時代になるのではないだろうか。