太陽光発電にムーアの法則が当てはまりつつあり、 どんどんコストが下がっている。
「ムーアの法則」とは米インテルの創業者のひとりである ゴードン・ムーア氏が1965年に自らの論文上で提唱した法則で、 集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年)ごとに倍になる」 というものである。
ものすごく大雑把に言うと、コンピュータの処理能力が 1年半毎に倍になるということである。
この状態が実は太陽光発電の世界でも、起こっている。 まだ、一年半で倍とまではいかないが、 ここ20年で大幅に向上した。 ここ20年で太陽光発電の設置コストは1kW当たり1993年に370万円だったのが、
2015年に50万円と 約7分の1近くになっている。
スタンフォード大学のビベック・ワドハ教授の研究によると、 自然再生エネルギー、特に太陽光発電は 「設置が毎年倍増し、太陽電池モデュール費用は毎年2割ずつ減少する」。
そして、政府の補助金がなくても2022年までには太陽光発電コストは現在の半分となり、 2035年までにはエネルギーコストはほぼゼロに近づくと試算している。
太陽光発電がコストゼロに近づくと、 当然、原油・ガス・石炭の発電は減り、 原油・ガス・石炭の使用量も激減する。
ということは、今の資源価格の下落は一過性のものではなく、 長期的なトレンドだと見ることができる。
原油は、ガソリンだけではなく、プラスチックや繊維、 そして薬など、様々な分野の原料になっている。 従って、原油の使用量がゼロになることはないだろうが、 電力や自動車での使用量が激減していくとなると、 全体的には大幅に減ることになるだろう。
トヨタが2050年にガソリン車販売をゼロにする目標を 掲げたのもうなづける。 日本のエネルギーが、太陽光を含めた自然エネルギーで すべてまかなえる日が来れば、日本の国際競争力は 大幅に上昇するだろう。
長期的に日本は買いである。
今、原油・石炭・天然ガスが下落しているといって それらの発電設備に大きな投資をしている企業への 株式投資は要注意である。